いま悩んでます。
何についてかは詳しくお話しできませんが、一言で言うと仕事についてです。
仕事で行き詰まってしまいました。
今まで自分が理想として目指していたことが、どうやらムダだとわかったのです。
自分が一生懸命がんばって来たことが、実はお客様のためになっていないことに気づいたのです。
ですので、かなり愕然としています。
「自分は今まで何をやって来たのだろう?」
……と。
でも、これも一つのチャンスです。仕事を次のステップへ進めるチャンスです。
自分の“こだわり”だけではなく、お客様への“思いやり”が大事
そんな話をさせていただければと思います!
自分が大切にしていた想いがムダだった
ブログへのご来訪ありがとうございます! 「農マドワーカー」のいずばやしです。
現在僕は、農業とインターネットなど複数の仕事に関わらせていただいています。
その中で、自分なりの理想や信念を持って働かせていただいています。
ですが、その理想や信念が、お客様に十分伝わっていないことがわかりました。
いえ、もっと言うと、そもそもお客様が求めているものではなかったのです。
「自分が仕事で大切にしていた想いが、実はムダだった……」
と気づき、激しくショックを受けています。
お客様の想いを汲み取れていなかった……
でも、これは僕の中の問題であり、仕事そのものには影響はありません。
それに、お客様にとっては、僕がこれに気づいたことで今後のサービスが良くなるでしょう。
なので、客観的に見れば、良い方向に進んでいるのです。
でも、僕の心は激しく落ち込んでいます。
じゃあ、いったい何に落ち込んでいるのかと言うと、
お客様の想いや目的を、僕がきっちり汲み取れていなかったこと
に対してです。
そう。「自分の理想や信念が伝わっていなかったこと」や「頑張りが報われなかったこと」がイヤなのではなく、「自分がお客様の想いに寄り添えていなかったこと」に落ち込んでいるのです。
仕事への“こだわり”
先ほどもお伝えしたとおり、僕は理想と信念を持って仕事をしています。そのおかげで、仕事を頑張ることができます。
ですが、この理想や信念が邪魔をしていることに気づいたのです。
もっとわかりやすく言えば、“こだわり”という言葉になります。
よくありますよね? 「その道一筋30年の頑固オヤジが営む“こだわり”の寿司屋」みたいなやつ。
何か一つの理想や信念を自分の中に持ち、それをひたすら追求して商品やサービスのクオリティを高めていく形です。
それはある意味、「いい仕事ができる」と言えるでしょう。
なぜなら、そういった“こだわり”があれば、商品やサービスの質が高まり、お客様により良いものを提供できますから。
ですが、“こだわり“だけでは、仕事としては不十分です。
お客様への“思いやり”
仕事の中で“こだわり”以外に何が必要かというと、“思いやり”です。
別の言葉で言えば、「お客様の意図や目的を汲み取り、それに合ったものを提供すること」です。
当然のことながら、この“思いやり”がなければ仕事として成立しません。
先ほどの「頑固オヤジの寿司屋」で言えば、自分のこだわりや美学だけを追求して、
「うちはカッパ巻きにこだわっているから、カッパ巻きしか出さねえ!」
「このカッパ巻きは、素材のキュウリから最高のものを使ってるんだ!」
と言っていたら、おかしなことになりますよね? お客の側としては、色んなお寿司を楽しみたいし、どれだけカッパ巻きが美味しくても、それだけでは飽きてしまいますから。
(というか、そもそも採算が取れないか・・・( ̄▽ ̄;;)
つまり、どれだけ“こだわり”を追求していたとしても、その自分の想いだけではダメで、お客さんの想いや目的に寄り添う必要があるわけです。
“こだわり”と“思いやり”のバランス
ですから、仕事に取り組む際には、“こだわり”と“思いやり”の両方が必要となります。
別の表現でシンプルに置き換えると、
- こだわり=自分(我)の視点
- 思いやり=相手(他者)の視点
ということになります。
この「我」(=こだわり)と「他者」(=思いやり)の視点のバランスが取れることで、仕事は上手く回るようになります。
Apple社の製品を見てみると
例えばですが、iPhoneやMacBookで有名なAppleの製品は、独特のデザインや機能を持っています。他の会社のスマホやパソコンとは一線を隠している感があります。
これが起きるのは、紛れもなく“こだわり”の効果です。
Apple社さんの理念などをきちんと読んだわけではありませんが、製品を見る限り「シンプルでスタイリッシュ」という“こだわり”が貫かれているように思います。iPhoneにしてもMacbookにしても、余計なボタンは排除し見た目が美しくなるように作られています。
他の会社とは違う“こだわり”によって、Apple製品は出来上がっているというわけです。
ですが、そこに“思いやり”が無いかというと、全くそうではありません。
iPhoneもMacBookも直感的に操作方法がわかるように作られていますし、何よりAppleストアなどへ行くと、スタッフさんが丁寧に説明をしてくれたりします。
製品そのものの使いやすさを備えながら、使い方をサポートする体制も整えているというわけです。
これは、お客側の視点に立つ“思いやり”が反映されたものと言えます。
つまり、“こだわり”と“思いやり”のバランスが絶妙に取れていることで、Appleの製品は世界に広まっている、ということです。
“こだわり”ばかり追求して失敗した
だから、仕事をするに当たっては、“こだわり”と“思いやり”のバランスに注意すべきなのですが・・・
今までの僕は“こだわり”に偏っていたようです(^^;;
いえ。以前にも“こだわり”ばかり追いかけていたことがありました。
究極のお米をつくったけれど……
僕は現在、農薬や肥料を使わないお米づくりをしていますが、以前はもっともっとこだわって、“機械も使わない手作業のみのお米づくり”に取り組んでいました。
「地球環境のために、排気ガスも資源消費もない究極の形を目指すのだ!」
みたいなことを考えていました。
なので、毎日カラダに鞭打って、自分の理想を叶えるため必死に作業に取り組んでいました。こだわりにこだわりまくっていました。
そして、無事に収穫を終え、最高のお米ができたと思いました。なので、その“こだわり”に見合う価格をつけました。
5kg1万円。
スーパーで普通にお米を買えば10kg3,000円(5kg換算で1,500円)くらいなので、7倍近い金額です。でも、それくらいのことをしたという自負があったのです。
で。結果はどうだったかというと・・・
ぜんぜん売れませんでした(T-T)
そりゃそうです。自分の“こだわり”ばっかりを追求して、お客様への“思いやり”が全く無かったのですから。
“思いやり”が欠けては仕事にならない
こんな風に、どれだけ理想を掲げようと、どれだけ強い信念を持とうと、どれだけ“こだわり”を追求しようと、お客様への“思いやり”が欠けていては仕事として成立しないのです。
もし“こだわり”だけを追求したいのであれば、趣味の領域でとどめておけばいい。
「自分の好きなことだけやりたい!」というのであれば、お金を稼ぐことなんて考えず、自己満足をとことん極めればいい。
そんなことに気づき、
「あ。今の僕も、“こだわり”に偏っていたなぁ……」
「お客様への“思いやり”を取り戻さないとなぁ……」
と考えるに至ったのです。
“こだわり”と“思いやり”のバランス。これが仕事をする上で何より重要なのです。
まとめ(先も立ち我も立つ)
江戸時代の有名な言葉に、こんなものがあります。
「実の商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり」
Wikipedia:石田梅岩より引用
「本当の商人は、先(=お客様)を立たせ、自分自身も立つことを思うものだ」という意味ですね。思想家であり、自身も商人だった石田梅岩という人の言葉です。
つまり、「本当の働き方というのは、まず最初にお客様の役に立ち喜んでいただき、その上で自分自身も利益を得て喜びを得るものだ」ということです。
これを“こだわり”と“思いやり”の話に当てはめると
- まずお客様の役に立つことを考える(=思いやり)
- その上で自分自身の利益や理想を叶える(=こだわり)
となります。
僕は今まで“こだわり”ばかりを見ていて、そのために仕事で行き詰まってしまいました。
先に大切にすべき“思いやり”が欠けていたからです。
もちろん“こだわり”(理想、信念)はめちゃくちゃ大切なのですが、その“こだわり”を叶えるためにも“思いやり”を考える。ここが大きなポイントだと思うのです。
自分自身を反省しつつ書かせていただきましたが、あなたにとってもお役に立てるところがあれば幸いですm(_ _)m