妻のことが好きです。
現在、妻は10日間の海外出張に行っています。
明後日に帰国予定なので、妻が不在の期間がこれまで8日続いたことになります。
いつもは一緒に暮らしている妻でも、こんな風に一週間以上会えなくなると、かなり寂しくなります。まるで遠距離恋愛のようです。
「ママに会いたーーーい!」
と、娘と2人で言っている。いや、主に僕が言っている。
「今すぐ会いに行こう?」と娘は言うが、妻は現在イスラエル。すぐに会いに行ける距離じゃねぇ。
結婚して子どももいるのに、何でしょう……この遠距離恋愛のような状況と気持ちは。#妻がいない
— ばや@農マドワーカー (@shbayashi) 2017年10月13日
結婚してからもうすぐ8年。今でも妻のことが好きです。
ですが、世間の声を聞いていると、「夫婦の仲が良くない」というケースが多いようで……。「妻のことが好き」と声を大にして言える人は少ないのかもしれません。
そこで、
- どうして妻のことをずっと好きでいられるのか?
- 結婚するならどんな人がいいのか?
について、自分たちの出会いから結婚までを振り返りながら、検証したいと思います。
結婚することがイヤでした
もともと僕は「結婚」というものが嫌いでした。
そこには色々な理由があったのですが、一番は“家”とか“家族”というものに縛られたくないからでした。

↑こちらの記事にも書いたのですが、僕は代々続く古い家に生まれました。そのために、昔からプレッシャーを感じていましたし、自分の好きなことも諦めました。だから、
- 家なんてイヤだ!
- 家族なんてものがあるから、僕は好きなことができない!
- だから、僕は家族なんて作らない!!
という風に思っていたんです。
他にも……
- 日本の経済状態が良くなくて、もし結婚して赤ちゃんが生まれても、その子は希望が持てない
- というか、日本の財政赤字のために、今生まれた子どもは将来大きな負担を背負う
- 環境問題が深刻化しているので、そもそも人類の未来がないのではないか?
- そんな状況の中で、「結婚」とか「家族を作る」とか意味がわからない!
ということも考えていました。
要するに、結婚に関して……いえ、「家族」というものに対して、めちゃくちゃネガティブだったのです。
妻との出逢いと自分の変化
ですが、転機が訪れます。それが妻との出会いでした。
妻とは、とあるアルバイトで知り合いました。
正直なところ、彼女は僕の好みのタイプではありません。逆に彼女も、僕のことが好みではなかったそうです。
だから、最初は特に気になる存在ではなく、「同じバイトの仲間」として普通に接していたんです。
けれど、それが徐々に変化していきます。
内気な性格を壊してくれた
僕はもともと内気な性格です。
ブログやSNSを読んでくださる方とお会いしたときには、
「文章をいっぱい書かれているので、いっぱい喋る方かと思ってましたけど、実際にお会いすると全然話さないんですね」
と良く言われます。
それくらい人見知りだし、内向的だし、自分の言いたいことがあっても内側に溜め込みます。
(だから、こうやって“書くこと”で発散するんですけど……)
そして、妻と出会った時期は、それが特に顕著な時期でした。
妻と出会ったバイトに入る直前までの僕は、家に引きこもり状態でしたから(^^;;
それに、先ほどのように「家族」や「結婚」に関して否定的に考えていたので、「自分の将来まっくら!」みたいな人間でした。
で。そんな内向的な僕を、妻はあたたかく受け止めて…………くれることはなく、思いきりぶち壊しました。
ええ、ここはもう恨みにも似た口調で言いましょう。
内向的で自分の世界を大切に守っていた僕を、妻は見事にぶち壊しやがったのです!!
強制的な自己開示
妻とお付き合いをしたのは、その……なんというか、最初はちょっとした出来心でした。
「家族」や「結婚」を否定していた僕ですが、やっぱり“男の子”だったので“女の子”への興味はあります。
そして、その頃には「お友達」として接近していたので、そのまま何となく「お付き合いしたいなー」と思ったのです。
(妻と、そのお父様お母様、ご家族の皆々様には、こんな経緯で大変申し訳ございませんm(_ _)m)
ですが、お付き合いした直後から、僕はもう後悔しました。
「こんな人と付き合うんじゃなかった!」と。
なぜなら、内向的で自分の世界を守ってマイペースに過ごしたい僕を、彼女は一緒にいるとことごとく邪魔してくるのです。
「ねえねえ、何かお話ししてー」
「いま何を考えてるのー?」
「今日は何があったのーー?」
という感じで。
なので、僕の方は……
「え? お話し? 何を話したらいいの?!」
「いやいや。僕が考えてること、あなたに話す必要ある?!」
「そんなの放っておいてくれよ!!」
と、戸惑いと疑問とウザさの連続でした。
時には、「話すことがなかったら、生い立ちから話してー」と言われることもあり、
「生い立ち? そこから話すの?!」
「めんどくせえ!!」
となることもありました。
とはいえ、せっかくお付き合いをしているのだし、やっぱりその……離れて一人になるのは寂しいし、あとは、なぜかそんな彼女を可愛く感じる自分もいて、
「じゃ、じゃあ……頑張って話すよ」
「生い立ちは……えっと、1981年に生まれて……」
という感じで、しぶしぶ自分のことを話すようになったのです。
いわば、もともと苦手だった自己開示を、妻の手により強制的にさせられることとなったのです。
苦手なことを突破して人生が好転した
すると、不思議な変化が起こり始めました。
なぜか恋愛以外のことも、スムーズに回るようになったのです。
ちょうどその頃、僕は引きこもりニートからのアルバイト(フリーター)から脱却し、会社員として就職することができていました。
ただ、元々が内向的なタイプのため、仕事は上手くいきません。同僚ともお客様ともコミュニケーションが取れず苦しむ時期がありました。
ですが、それが上手く行くようになったのです。
原因は明らかで、妻(当時は「恋人」)に自分の話をさせられていたからです。
妻の「お話ししてー」という要望に応えることが、自分のコミュニケーション能力を底上げする効果となり、会社での仕事も上手く回るようになりました。
家族との関係まで良くなった!
そして、効果はそれだけではありませんでした。
自分の両親との関係も良くなったのです。
以前は自分の境遇を恨み、「家のせいで自分の好きなことができなかった……」と両親に心を開けなかったのですが、妻と付き合ってしばらくした頃から、自然と会話ができるようになりました。
しかも、それまで嫌で嫌で仕方なかった家業(農業や不動産業)にも前向きに取り組めるようになりました。
「あれ? いつの間にか、生きるのが楽しくなってる」
そんな風に感じるようになりました。今までネガティブにしか感じていなかった家柄のことや家族との関係が、どんどん良くなっていったのです。
妻とお付き合いをする中で、自分のことを話す訓練をし、自己開示ができるようになったことで、今まで「嫌だ」「苦手だ」と思っていたことが逆転しました。
いえ、「嫌だ」「苦手だ」というのは、単なる思い込みだったのかもしれません。
ただ確かに言えることは、今までの内向的だった自分自身をぶち壊すことで、人生が良い方向に転換したということ。
僕はこの経験から、自分の慣れないことや苦手なことを乗り越えることで人生は良くなるのだ!ということを学びました。
この人ととなら「家族」になれる!
「あ。この人となら“家族”になることができるかも……」
僕は妻に対してそんなことを思うようになりました。
妻と過ごすことで仕事が順調になり、両親との関係も改善し、それまで停滞していた人生の流れがスムーズになったように感じました。
「そうか! 自分と視点や感覚の違う人と一緒にいることで、人生全体が良くなるのか!」
そんな風に気づいたのです。
そう。僕と妻はもともと考え方も感覚も違います。
もちろん共通の話題はありますが、価値観は全く異なります。
現に、今も妻は海外へ行くことが好きで海外旅行の添乗員を仕事にしていますが、僕は家と田んぼで自然に触れて暮らすことが好き。
こんな正反対な二人です。
ですが、価値観が正反対な相手だからこそ、自分には無い視点をもらえ、そこから人生の流れを良くすることができるのです。
だから僕は決めました。
「結婚してください」
2年の交際期間を経て、妻にプロポーズしました。
「結婚なんか嫌だ」「家族を作ることなんか嫌だ」「そもそも“家”の制度なんか無くなってしまえ!」と思っていた自分から一転。
2年という期間で大きく考えを変え、妻と結婚することになったのです。
(プロポーズしてから結婚式まで一年近くかかったので、正確には3年ですけど)
どんな人と結婚するのが良い?
どうして結婚した後も妻のことを好きでいられるのか?
その答えは、「価値観が違うから」です。
もっと正確に言うと、
- お付き合いしている段階で、価値観が違うことを認識し
- お互いに異なる価値観を肯定しあい
- 異なる価値観の人と一緒にいるから自分が成長できることを実感し
- 価値観が違うから違いの人生をより良くできることに気づいたから
です。
だから、「結婚するならどんな人がいいか?」の答えも、自分と価値観と異なる人となります。
「価値観の不一致」なんて当たり前
よく「価値観の不一致で離婚した」なんてことを耳にしますが、僕には意味がわかりません。
だって、夫婦間で価値観が一致しないことなんて当たり前ですから。
むしろ、価値観が合わないからこそ、毎日一緒にいても発見があるし、刺激をもらえます。
もちろん、価値観が違うのですれ違いやケンカもあります。けれど、そこで自分の悪いところや改善できるところを見つけ、お互いの成長に繋げることができます。
そうやってより幸せになっていきます。
逆に、「価値観が一致する」ほど、不幸なことはないと思います。
だって、それであれば、結婚してからの生活が単調になり、新たな発見も刺激もなくなり、相手を好きではいられなくなってしまいますから。
だから、価値観を違う人とこそ結婚するのが良い!と僕は思うのです。
「価値観の違い」を肯定しあう
……と、ここまで個人的な考えとエピソードをお話ししてきましたが、少しでもご参考に慣れば幸いです。
要点をまとめると、
- 結婚するなら価値観の異なる人と
- だからこそ、毎日に発見と刺激が得られて違いに成長できる
- 互いの人生が良くなり、ずっと好きにいられる
というのが、僕なりの結論です。
ただし、これには前提があります。
それは、価値観の違いを肯定しあうということ。
というか、そもそもの話として、「価値観が全て合致する」というケースはほとんど無いと思います。どんなに気の合う人でも、価値観の違いはあります。
だから、極端な話をすれば、「どんな人とだって結婚していい」ということになります。
けれども、そこに
- 価値観の違いを認め合うこと
- 価値観が違って当然だということ
を前提として、お互いが持っておく必要があります。
この前提があれば、結婚生活は円滑に進みます(もちろんケンカはあるでしょうが……)。
いえ、どんな人とも人間関係を良好にするカギとなるでしょう。
そして、価値観の違いを肯定しあう夫婦やカップルが増えて、更に他人との価値観の違いを認め合う人が増えれば、社会全体が良くなるだろうとも思うのです。
あ。最後はちょっと理想論になってしまいましたが、この記事があなたにとって何かしらのヒントになれば、とっても嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!