「好きなことを仕事にしよう!」
「好きなことの方が儲かる時代だ!」
なんてことが言われます。
確かにそうかもしれません。
インターネットが発達して、個人レベルでも多くの人と繋がりを持つことができ、自分の趣味や特技を生かして仕事をできる時代になりました。
僕自身も、昔「文章を書いて仕事にできたらいいなぁ」という夢を抱いていたのですが、それを実現できました。
ただ、現実を見ていると、「好きなことを仕事にしよう!」として失敗してしまうケースが多々あります。
僕は以前、インターネットを活用してビジネスするコミュニティに所属していたのですが、そこの多くの人(約8割)が結果を出せずに終わっていました。
いえ、僕自身も明確な成果を出せなかった一人です。
ですが今では、大きな収入にはなっていないものの、ビジネスのパートナーとも巡り会い、そこから良きお客様ともご縁をいただくことができ、「好きなこと」を徐々に仕事にできています。
では、以前の僕と今の僕では、どういったところが違うのか?
「好きを仕事にする」が失敗してしまうポイントをお話ししていきたいと思います。
「誰かのため」になっているか?
「好きを仕事にする」が失敗する一番の原因。
それは、「誰かのため」が抜けてしまうということです。
「そんなん当たり前やろーーー!」
「仕事なんやから、他人の役に立たなアカンやろーーー!」
と思われるかもしれませんが、実はここが盲点だったりするのです(^^;;
好きなことを仕事にしようとする人たちは、まず「自分のこと」を考えます。だって、「好きなこと」というのは自分中心に生まれてくるものですから。
だから、「好きを仕事にしたい!」という時点で、自分中心で利己的になっているということです。
そこが最初の動機になると、お金をいただくことが難しくなります。
お金は他人からの信用によって生まれる
ここで「お金とは何か?」について一度考えてみましょう。
以前の記事でも書いたのですが、お金とは「人からの信用」によって生まれます。

- 自分の提供したモノが誰かの役に立ったり
- 自分の起こした行動が誰かの喜びにつながったり
といったことによって、相手からの感謝が返ってきて、それが「お金」という形になって自分の手元に残ります。
あるいは、感謝ではなくても「応援したい」「また頼みたい」といった気持ちの現れでもあります。
言い換えると、
- あなたの提供しているモノって良いよね!
- あなたのやってることって素晴らしいよね!
と信じてもらえた証として、お金をいただくことができます。
こんな風に、お金というものは「人からの信用の証」だと言えるわけです。
そして、ここで重要になるのは「他人の存在」です。
他人がいなければお金はもらえませんし、他人という存在がいなければ、そもそも「仕事」にもなりません。
「仕事」という字を紐解くと「仕えること」という意味になり、誰かに貢献しなければ仕事にはならず、お金をいただくこともできないのです。
独りよがりになっていないか?
ですが、「好きを仕事にする」という動機だと、「誰かに貢献する」や「他人から信用を得る」という視点が欠けてしまいやすいもの……。
「自分の好きなことをしたい!」という自分中心の気持ちが出発点なので、他人に目が行きにくいのです。
あるいは、とっても痛いケースとして、「自分のやっていることは世界のためになるから!」と、いきなり身近な人たちをぶっ飛ばして世界レベルに視点を持っていってしまうケースもあります。
というか……僕自身がそうでした(^^;;
世界のために頑張ってる俺!
僕は現在 無農薬の農業をしていますが、この仕事を始めた当初「これは世界のためになることだ!」と思っていました。
確かにそうかもしれないのですが、身近な人に貢献することをすっ飛ばして、自分一人で「世界のためになる!」と考えていたのです。
そして、
- 僕の農業は世界を救う活動です!
- ぜひ僕のお米や野菜を買ってください!!
なんてことも、インターネットで発信してました。
他の人から見れば「知らんがな!」って話で、いま自分で振り返ってもイタすぎる思い出です。
ですが、「好きを仕事にしよう」とすると、こういう状況に陥りやすいんですよね……(^^;;
好きなことを否定されたくない
そして、この心理状態になってしまうメカニズムは簡単で、「自分の活動を周囲の人に否定されるのが怖いから」です。
自分の「好きなこと」で仕事しようとすれば、それを誰かに届けなければなりません。けれど、相手に本当に受け入れてもらえるかはわかりません。
だから、自分の「好きなこと」が否定されてしまうかもしれないのです。
自分の「好きなこと」が身近な人に否定されるのが怖い……。
だから、いきなり「自分は世界のために頑張ってるんです!」という主張に走ってしまうのです。
けれど、それは結局のところ“独りよがり”に過ぎません。
自己が否定されることを恐れ、他人と向き合うことから逃げているだけなのです。
そうなれば、「好きなこと」は仕事にはなりません。お金は入って来ません。
先ほども言ったように、お金や仕事は他人と関わることで生まれるものですから。
「好きを仕事にする」ために必要なこと
じゃあ、「好きなことは仕事にならないのか?」と言うと、そうではありません。
僕は「好きなことを仕事にする方がいい!」と強く思っています。今よく言われるように、「好きなことこそ仕事になる時代だ!!」と思っています。
けれど、重要なポイントは「好きなことだけしてしても、仕事にはならない」ということです。
これは今までお話しして来たことを踏まえれば、すぐにわかっていただけるでしょう。
好きなこと“だけ”をしていたら
- 自分の世界に閉じこもって、人と関わらなかったり
- 「世界のため」と言いつつ、人と向き合わなかったり
という状態になり、そこからは何の仕事も生まれません。
一銭のお金も生まれません。
そうではなく、しっかりと「自分の好きなことを誰かに提供する」という行動を取ることが大切なのです。
「好きなこと」が否定される覚悟を
けれど、これはとっても怖いことです。
誰かに「自分の好きなこと」を提供しようとしても、それが受け入れられるとは限りません。相手も“人”ですから、好みや習慣の違いがあります。
だから、自分の「好きなこと」が相手にとっても良いものとは限らないのです。むしろ、異なる場合の方が良いでしょう。
だから、「好きなことを仕事にしよう」とすれば、その「好きなこと」が否定される日が必ず来ます。
つまり言い換えると、「好きを仕事にする」ためには、自分の好きなことを否定される覚悟が必要なのです。
そして、多くの人はこの覚悟が持てないために、好きを仕事にできないまま終わります。
だって、自分の好きなことなんですもん。自分の大切にして来たことなんですもん。
それが否定されるって苦しいですからね……。
だから、その苦しさを乗り越えられずに挫折したり、先ほどのような“独りよがり”に走るのです。
「好きを仕事にする」を失敗しないために
いかがでしたでしょうか? ちょっぴり自分の恥ずかしい思い出を交えながら「好きを仕事にする」が失敗する理由をお話しして来ました。
もう一度整理すると……
- 「好きを仕事にする」は、スタートの動機が自分中心のため他人に目が行きにくい
- お金は他人からやって来るものなので、他人と向き合えないと仕事にはならない
- また、自分の「好きなこと」で他人に何か提供を提供しようとすれば、それを否定される可能性がある
- だから、「好きを仕事にする」ためには、自分の「好きなこと」を他人から否定される覚悟が必要
となります。
けれど、「好きなことを否定される覚悟」ができれば、その後はどんどん道が拓けるでしょう。
繰り返しになりますが、僕も「好きを仕事にする」ことに賛成です。
好きなことってやっぱり楽しいし、取り組んでいればモチベーションも上がります。そして結果的に仕事のクオリティも上がります。
それを誰かに届けることができれば、お互いに幸せになりますよね。
そして、そういった人たちが増えれば、世界全体も良くなると思うのです☆
あ。「世界全体」って言ってしまった(^^;; 今の段階ではこの考えは僕の“独りよがり”ですね……。
ですが、これで終わらないように、まずは身近な人たちと向き合って行動していきたいと思います!