「一人でお出かけする!」と3才の娘が言い出しました。
正直、最初は戸惑いました。
まだ道順もわからずお金の使い方もわからない幼児が、どこかへ一人で行って帰って来るなんて、不可能に近いですから。
ですが、考えました。
「こうやって『自分で何かをしたい』と言うのは、大きなチャンスかもしれない」
「すごく大きな成長のきっかけになるかもしれない」
……と。
そんなわけで、娘に一人で外出してもらうことにしました。
あ。でも、さすがに誘拐とか事故とかが怖いので、僕が“見守り隊”として後から付いていく形で。
ひとりでお出かけしたい!
こんにちは! 「農マドワーカー」のいずばやしです。大阪の郊外で自然農法の田んぼをしながら、インターネット関連の仕事をしています。
現在ゴールデンウィークの真っ只中ですが、僕には農作業の予定があり、妻は風邪でダウンしています。
すると困ったことになるのが、幼稚園がお休みを迎えた3才の娘……。
両親ともに仕事があったり動けない状況なので、完全にヒマを持て余しておりました。
そして遂に、こんなことを言い出したのです。
「ひとりで梅田へ行きたい!!」
……と。
大きな成長のチャンス?!
梅田というのは、言わずと知れた大阪の都会の中心地ですが、我が家は南の方の郊外にあるので、バスと電車で2時間ほどかかります。
ですから、3才児が「ひとりで行く」という距離ではないのです。
が、先ほどお伝えしたとおり、僕はチャンスだと捉えました。
なぜなら、彼女本気で梅田へ行きたそうで、その目には涙さえ浮かべていたからです。
彼女の中から熱い想いが伝わって来ました。
- 今までやったことのないことを「やりたい」と言っている
- これは彼女が新たな成長を遂げるきっかけではないだろうか?
- 単に「小さいから」という理由で止めるのは、親として違う気がする。
- できれば、この娘のこの気持ちを大切にしたい
と考え、彼女が梅田へ行くことを了承したのです。
親は見守る係でついていく
とはいえ、さすがに3才児ひとりで行かせるわけにはいきません。
まだまだお金の使い方もわかっていないですし、バスや電車の乗り方も心もとないです。そもそも、こんな小さくて可愛い子が一人で歩いていたら、誘拐されてもおかしくありません!
そんなわけで、僕も一緒に行くことにしました。
ですが、いつものように「大人がリードして外出する」のではなく、今回はあくまでも「娘が主導してお出かけする」というものです。
いわば、娘が一人で進むのを僕が後から付いて見守る、という形です。
「可愛い子には旅をさせろ」と言いますが、“見守り隊”をつけながらの一人旅をしてもらうことになったのです。
僕には他の予定がありましたが、それらはキャンセルしました。後に響くので躊躇はありましたが、「娘の成長のチャンスを無駄にしたくない!」と子どもを優先することにしたのです。
でも、めっちゃ大変でした

が、結論から言うと、めっちゃ大変でした( ̄▽ ̄;;
- 服の着替えから一人で頑張ったけど、なかなか進まない。
- お出かけのカバン選びから、えらく時間がかかる。
- 今回の交通費などは娘自身の貯金から出すが、その貯金箱の開け方がわからず苦戦。
- なぜかバスタオルを持って行きたがり、荷物のカサが大きくなる。
- いざ出かけようとしたら、庭の花や虫に気を取られて時間がかかる。
という風に、出発前からメチャクチャ時間がかかってしまいました。
そして、何とか出発できたものの……
- カバンの中にお金をそのまま入れていたので、バス代を取り出すのに苦戦。
- 駅前のバス停に到着したけれど、そこから駅への道順がわからず彷徨う。
- 途中で見つけた本屋さんに寄り道。絵本を読み始める。
- 無事に電車のホームに辿り着いたはいいが、自動販売機に興味を示し、電車に乗りそびれる。
- 自動販売機をいじりまくっていたら、その直後に来たご家族が電子マネーを当てたときに娘がさっきボタンを押したジュースが出てきてしまう。
(それはさすがに僕が謝って、お金をお支払いしました(^^;) - 無事に乗換駅である難波に到着。梅田へ行くための地下鉄に乗り換える道がわからない。
- 何を思ったかデパートに寄り道。さらに、デパート内でも道に迷い、グルグルと放浪。
- ちょっと外へ出てみる。勢い余って、歩道から道路に落下。
(車がいないときだったので、本当によかった) - さらに何を思ったか、難波近くの商店街を歩き始める。とにかく放浪。行くあてのない旅が続く。
- どうにかこうにかして(というか、僕がヒントを出して)、地下鉄への案内板を発見。地下鉄に辿り着く。
- そこから地下鉄に乗って、無事に梅田へ!!
という感じで、大人主導の外出では考えられないようなことが、次々に起こりました。
ただ、確実に彼女の中で得られるものは大きかったと思います。
本屋さんに寄り道。。。
親のほうが収穫が大きい!
いえ。本当は、親である僕が沢山のものを得られたのだと思います。
- そうか。娘はこんな視点だったのか!
- こういう行動パターンを取るのか!
- こういうことが好きなのか!
- まだまだ、こういうところは苦手なのだなぁ……
- おお! 意外にこういうところが得意なのか!
という発見が沢山あったので♪

そして、梅田では無事に、娘の行きたかった『どんぐり共和国』(ジブリグッズのお店)に辿り着き、そこでの時間を堪能したようでした。
(結局、何も買わなかったんですけどね(^^;)
とはいえ、さすがに娘も僕も疲れてしまい、帰りの電車の中では二人揃ってグッスリでしたけど……。
というか、僕は翌日まで疲れが残っております……(- -;; 昨晩は22時に寝たのにも関わらず、起きたのが7時半くらいですから。いつもは5時起床なのに、体が全然動きませんでした。
そんなわけで、お子さん主導でお出かけする場合は、大人主導で出かけるよりも消耗が激しいので、ご注意下さい!
娘の成長スイッチが入った(かも)
そんなこんなで、「可愛い子には旅をさせろ」を実際にやってみたわけですが、親子ともども沢山のものを得ることができました。
何より、娘の中で何か大きな成長のスイッチが入ったように思います。

正直なところ、「旅をさせよ」「子ども主導」と言いながら、僕が手を出してしまうことが多かったです。お金を払う場面とか、道に迷ったときとか、思わず助け舟を出してしまいました(^^;;
ですが、それでも
- 自分が責任を持ってリードして
- 自分の頭で考えて
- 自分の足で歩いて、目的地へ辿り着く
という経験は、娘にとって大きな自信になったようなのです。
ですので、帰宅した後は、いつもより自信と笑顔に満ち満ちて過ごしておりました。
「自分の予定をキャンセルしてでも、ついて行って良かったなー」と思っています。
いつかは本当に一人でお出かけができるように、また彼女が成長する機会を増やしていけたらと思うのです(^^)