散髪を失敗しました。
とにかく、切りすぎました。
いつもと違う店にひょっこり入ったのですが、それが運のつきでした。
価格の安さにつられてしまいました。
本質を見抜けなかった僕のせいです。
ですが、ここから働き方や価格の持つ意味について、見えてくるものがあったんです。
散髪を失敗しました
ブログを訪れていただき、ありがとうございます! 「農マドワーカー」の泉林です(^^)
最近までバタバタとしていて髪がボサボサになっていたこともあり、昨日、散髪へ行って来ました。
そして、見事に失敗しました。
行ったのは、近所のスーパーに併設している理容室。カットと顔剃のセットで1,400円(税別)という格安のお店です。
以前から前を通りかかっていたのですが、なんかこうピンと来なかったので、入ることはありませんでした。
ですが、今日もふと通りかかり、「時間もお金も短縮できるなら、ここでもいいかな?」と思い、入ってしまったのです……。
いつもの理容室は?
普段よく行く理容室は、料金が3,000円です。
カットだけでなく、顔剃+シャンプーまでやってくれます。
そこそこ料金はリーズナブルですが、お店の中もキレイで店員さんたちの心配りができて、何より「こんな感じで仕上げましょうか?」「こういうのはどうですか?」という提案をしてくれます。
もちろん、こちらの要望を聞いた上でなのですが、その要望を受け取って、それを理容師さんの視点を入れたうえで提案を返してくれる、という感じです。
整理すると……
- お客の要望を聞く
- それをプロの視点で解釈し、自分自身の経験やセンスと照らし合わせる
- 客の要望とプロの視点 双方を踏まえた上でベストな形を提案する
というステップを踏みます。
ですが、今回の1,400円(税別)のお店は全く違ったのです!!
お客の言われたとおりに!
じゃあ、1,400円(税別)の理容室はどんな感じだったのかと言うと……
- お客の要望を聞く
- そのまま切る
以上!!
という感じ。
「えぇぇえええーーーーーー?!」となりました。
「ご要望どおりに切ってます!」
最初、「どんな感じにしますかー?」と聞かれて、「じゃあ、これくらいの長さまで切ってください」と答えたら、「はいー」と即座にバッサーっと行かれたのです。
でも、そこに悪意はなく、さも
「お客様のご要望どおりに切っております!」
という表情と手つきで、どんどん切っていくのです。
しかも、「横はこれくらいの長さでいいですか?」と聞かれ、「えっとー……どうなんだろう? 自分ではわかりづらいんだけど……」と思っていたら
「自分で見て、言ってくださいね!」
と、お客に丸投げする感じ。
「自分は責任を負いませんよ」
「判断もしませんよ」
「言われたとおりにするだけですよ」
的な雰囲気を醸し出されていました。
(ちょ、ちょちょちょちょちょ! 待って! なんかこう、あなたが考える時間とか、「こういう感じにしますか?」という提案とか、そういうのってないの?!)
と心の中で叫んだのですが、人の反応を気にし過ぎて人見知りの僕には、それを口に出すことはできませんでした。
というか、お店の中は至って平和で、どうやらお客もそんな空気の中で散髪されているのです。
空気を読みすぎる僕にとっては、ますます何も言えません……(>_<)
アンタは機械か?!
唯一、「これで終わりですねー」と言われたときに、まだ上の方の髪の毛が長いままで残っていて、さすがにこのままでは誰が見てもアンバランスだと思ったので、
「もうちょっと上の方も切ってください!」
ということは言えました。
が、それに関しても「言われたとおりにします!」という感じで、バッサーーーと切られました。
その理容師さんの視点やセンスや経験といったものは全然考慮に入れられず、機械的に切ってくださいました。
いや、もうホント……
「アンタは機械か!!」
「言われたとおりにしかせんのか!?」
という感じです。
ですが、もはや切られた髪は戻って来ないし、そういうお店の雰囲気だし、次のお客さんは待っているしで、そのまま支払いを終えてお店を出ました。
僕が悪かったんです……
「まあ、でもなぁ……こうなったのは自分の責任なんだよなー」
「僕が希望の髪型を上手く伝えられなかったからなんだよなー」
「もっと注文の仕方を工夫すれば良かったんだよなー」
という反省をしました。
そうやって、ひととおり自分なりに反省をして……でも、ふと気づきました。
「ん? でも、僕が反省するっておかしくないか?」
たしかに、僕の注文力が未熟だったことは否めません。また、そこの理容室の雰囲気を事前に把握できていなかった落ち度もあります。
ですが、こちらが注文力を磨く必要があったり、こちらが責任を負ったり、あれこれ反省をしたりするって、なんかおかしいんです……。
要は、お客側が負担を負っていることになりますから。
そして、気づきました。
「あ。これが価格の差か!!」
ということに。
価格の差の裏側にあるもの
いつも行っている3,000円のお店は、こちらの要望を聞きつつも、プロの視点から仕上げの髪型を考え提案を返し、そして実際に切ってくれます。
つまり、「お店側が、考える負担や責任を引き受けている」ということです。
一方で、1,400円(税別)のお店は、“髪型について考えること”や“仕上がりの責任”はお客側が引き受ける形です。
もちろん、こんなことは明示されていませんが、「お客の言われたとおりにやる」というのは、「自分たちは考えない」「仕上がりの責任もお客さんが負ってね」ということです。
「要望通りに仕事をする」というのは、一見すると良いように思えても、実は「お客に責任を負わせる」という意味でもあるのです。
責任や負担が価格に反映される
ですが、当然ながら無条件にお客側は責任を負うわけではなく、メリットも発生します。
それが「料金が安くなる」ということです。
つまり、お客の側が“考えること”や“仕上がりの責任を負う”からこそ、安い料金でカットしてもらえた、ということなのです。
(これも、どこにも書かれてないですけどね(^^;;)
ですので、僕に関していえば、
- いつもは3,000円でカットしてもらっている
- けれど、今回は1,400円のお店に入った
- なので、価格に関しては3,000−1,400=1,600円のメリット
- でも、それと引き換えに、1,600円分の責任や負担を僕自身が引き受けた
ということになるわけです。
まとめ
まあ、なんというか、結論としては「きちんとお金を払って、自分の満足できるお店へ行こう!」ということになります(^^;;
ただ、これって散髪以外の他のことにも言えるんですよね。
「安いものを買う」というのは、逆にそれだけ何らかの負担をこちらが引き受けていることになります。
それは金額という目に見えるものではなく、今回のように“考える負担”であったり“責任”であったり、場合によっては“健康”や“時間”であったりするでしょう。
何にしても、価格が安いのにはきちんと理由があるし、安くなった分は自分も何らかの負担が生じているということですね。
自分の仕事を見直してみた
そして何より、今回の経験で、自分の仕事や働き方についても見直しました。
今回は店員さんに「機械か!?」という想いを抱いてしまいましたが、もしかしたら僕も自分のお客様に対してそう思わせているかもしれません。
もちろん、「そう思ってもらって大丈夫!」と納得できるのであればそれでいいのですが、僕はそんな働き方はイヤです。
ですので、しっかりとお客様の“考える負担”を減らしたり、“責任”を引き受けられる仕事をしたいと思うのです(^^)