自分の居場所を見つけるって大事だなぁ、と思いました。
いえ。正確に言うと、“見つける”というよりも“自分で決めること”が大事だな、と。
誰かに教えられたりとか偶然にやってくるのではなく、「自分はここで生きたい!」と能動的に決めることで、充実感や幸福感がとめどなく湧いてきます。
押し付けられた“居場所”
僕は江戸時代から400年続く旧家に生まれ、「地域に根ざして生きるべき」と言われて育って来ました。
幼い頃から押し付けられた それは、まるで呪縛のように僕を縛り、自分の境遇がとても不幸に感じられました。
一見すると“地元の名士”だし、周りの方々からの信頼もある家だし、有難いことに先祖が遺してくれた財産もあって、一般的には何の苦労もない幸せな人生だと思います。
(それでも、それなりに色々あるんですけどね! そこは余り理解していただけないので、ここでは触れずに進みます(^^;;)
でも、
- あなたはこう生きねばならない
- 結婚相手も自由に選んではならない
- こういう仕事をしなければならない
- あなたは こういう境遇なのだから、こういう人生を送るべきだ
といった考え方に囚われていると、それは全く幸せではありませんでした。
モノがあっても、お金があっても、本当の充実感や幸福感はそこにはなかったのです。
“居場所”は自分の意思で決めるもの
きっと、“誰かや何かから押し付けられたもの”って幸せを感じにくいのだと思います。
きっちり自分の意思と判断で選ぶ必要がある。
自主的に決める必要がある。
- 自分はここで生きるんだ!
- 自分はこんな人生を送るんだ!
……と。
実は最近になって ようやく、
「400年続いた この家のために生きよう!」
「この地域のために生きよう!」
ということを決めました。
そして、そこに大きな充実感と幸福感を抱いています。
受動的か能動的かで“居場所”の意味が変わる
けれど、これって客観的には、昔と何も変わっていないんですよね。
「あなたは家のために生きねばならない」と幼い頃から言われ続けていたときと何も変わりません。
もっと言うと、物理的な“居場所”は完全に同じです。
何ら移動も変化もしていません。
けれど、たとえ同じ場所だったとしても、
- 「あなたはここで生きねばならない」と受動的に押し付けられたか
- 「自分はここで生きるんだ!」と能動的に決めたか
によって、その“居場所”から感じるものは全く変わるのです。
だから、自分自身の意思と判断で“自分の居場所を決める”って、めちゃくちゃ大切だと思います。
“居場所”を外に求めた過去
とはいえ、ここにたどり着くまでに、僕は様々なところを彷徨いました。
- 「こんな家はイヤだ!」と遠方の大学に進学してみたり
- 「自分の夢を叶えたい!」と声優の養成所に通ったり
- でも、上手くいかなくて実家に戻り、ニートになったり
- そこから実家の仕事を継いだのはいいものの、「好きなことをしたい!」とネットでのビジネスを始めたり
- そこから海外へ行ってみたり、大きな収入が入る仕事をしてみたり
けれど、それらも実は、他人からの“もらいもの”だったりしました。
世の中で評価を受けていたり、活躍してそうな人たちを見て、
「あんな風に沢山の人にチヤホヤされたいなー」
「社会に大きな影響を与えたいなー」
「みんなが羨む生活だよなー」
みたいに考えて、本来の自分の意思ではなく、「他人に誉められるから」「世に評価されるから」という理由で憧れたんです。
なので、ある意味、それも“受動的に押し付けられた”生き方だったのだと思います。
他人や世間を基準にしてもダメ
だから結局、そこで何らかの成果を得ても、お金を稼げても、本当の充実と幸福は感じられず、違和感ばかりが大きくなっていきました。
そして、いつのまにか肥大化した違和感がはち切れて、
「あれ? 僕が本当に行きたい場所って、やっぱり自分の家や地元なんじゃないの?!」
ということに気づいたのでした。
まさに“青い鳥症候群”ですが、今までの場所とは違う外の世界を体験することで、「元々の自分の居場所が最高だった!」ということに気づいたのです。
“居場所”は自分で決めるもの
もちろん、これはどんな人にも当てはまるわけではなく、外の世界で充実や幸福を感じるケースも多いでしょう。
今までの境遇や価値観を破ることで、「ここに自分の居場所があった!」と見つかった話もよく聞きます。
ですが、外の世界で居場所を見つけるにしても、元々の居場所に帰るにしても、大切なのは
自分自身で決めること
なのです。
- 自分が関わりたい人たちがいるのはどこか?
- 自分の知識や経験や能力を発揮できるのはどこか?
- 純粋に、楽しく笑顔で過ごせる場所はどこか?
それを探しに探して、「ここだ!」と自分の意思で決められたとき、本当に充実感や幸福感がやってくるのだと思うのです。
今日も、ポカポカとした春の陽気の中で、地元の方々と触れ合う機会があったのですが、
「僕はやっぱりこの人たちと生きていきたいなー」
「ここでずっと生きていきたいなー」
と感じ、じんわりとした温かい感覚が全身を包んでくれました。
「僕はこの場所で生きていく」
そう決めて、この“居場所”で精一杯のことをして、これからも進んでいけたらと思うのです。