子どもがうるさいです……。
って、こんなことを言うとご批判が飛んで来そうですし、
「自分の子どもやろ?」
「愛してないんか?」
と責められそうですが、もちろん愛してます。
めっちゃ可愛いです!!
可愛いです……可愛いんですが、どうしてもうるさく感じてしまう時があるんです(T-T)
例えば、自分の部屋で仕事しているとき、急に「おとうさーん!なにしてるのー?」と駆け込んで来られたら、集中が一気に切れてしまいます。
もちろん、そういった理由で怒ったりはしないのですが、その集中の切り替えですごく消耗してしまって、
「うぅぅぅぅうううううう(T-T) せっかく調子よく進んでたのに……」
とガックリ来ることが多々ありますorz
嬉しいんですよ! そうやって子どもが自分のところに来てくれるのは嬉しいです。
話しかけてくれるのは、めっちゃ嬉しいです。
けれど、自分が何かに集中しているときに、話しかけられたり体に触れて来られたりすると、とっても消耗してしまうんです。
そして、そういったことが続くと、別の部屋から聞こえる子ども声だけでもジャマに感じるというか……思考を遮られてしまいます。
「もう! 勘弁してくれ!!!!」となってしまうのです。
けれど、こういった経験をすることで、
「あれ? 僕の両親もこんな風に感じてたのかな?」
「あ。もしかしたら、子どもの頃に怒られた理由って、こういうことかもしれない!」
ということがわかって来たんです。
理不尽な理由で父に怒られていた過去
僕は小さいころ、父によく怒られていました。
それは一応、躾(しつけ)という名目でした。
我が家は「江戸時代から続く古い家柄」ということもあり、一般的な家庭より躾は厳しかったのではないかと思います。
それにはすごく感謝しています。
社会的なマナーや人に接するときの態度を教えてもらったおかげで、人間関係にも仕事にも恵まれていますから。
ただ、子ども心に、どうしても納得できないことがありました。
どうやら、躾(しつけ)とは違う目的で怒られることもあったのです。
例えば、
- 元気に家の中で遊んでいたら、「うるさい!」と怒鳴られた
- 風邪をひいて咳き込んでいたら、「うるさい!」「あっちへ行け!」と言われた
といったことです。
あ。これは父に限ったことで、母からはそういった怒られ方はしませんでした。
- いつもは元気に遊んでも何も言われないのに、よくわからないタイミングで「うるさい!」と怒られる
- 風邪なんだから咳が出ても仕方がないのに、「うるさい!」と僕が悪いかのように怒られる
(むしろ心配して欲しいのに……)
ということが、父からはあったんです。
なんか、これって今から振り返っても理不尽ですね(^^;;
自分は何も悪いことをしていないはずなのに、あたかも「子どものせい」のように怒られてますから。
けれど、こうやって振り返ることで重要なことに気づいたのです……。
念のために言っておくと、父のことは全然批判していないですよ! そういった思い出も含めて有難いと思ってますし、めっちゃ尊敬しています。「こういった怒り方をなぜするのか?」というフォローをこれからしていくので、ここでページを閉じずに続きを読んでいただけたら嬉しいです!
昔の父と同じことを今の僕は感じてる
「あ。これって、今の僕と同じだ!」
そんな風に気づきました。
昔の父のように、子どもの風邪に「うるさい!」と言ったりはしませんが、何かしらの思考や作業を妨げられたとき、娘に対して怒ってしまうことがあります。
それは、当然ながら躾(しつけ)ではありません。僕の感情的な行動です。
そう。昔の父と同じように、理不尽な怒り方をしてしまうことが、僕にもあるのです。
「そうか……お父さんも、こんな風に感じて怒ってたのか!」
娘にはとっても申し訳ないのですが、娘に対して怒りを感じてしまう経験から、僕自身が過去に父から理不尽な怒られ方をしていた理由がわかって来たのです。
「もしかしたら、遊んでいるときに怒られたのって、お父さんが何かに集中していた時だったのかもしれない。僕の声がその集中を妨げてしまったのかも!」
「風邪の日に『咳がうるさい』と怒られたのだって、そのときに何か大切なことをしていたのかもしれない。それか、次の日に大事な用事があって、早く休みたかったのかもしれない」
こんな風に、父の状況を推測できるようになったのです。
もちろん正しいかどうかはわかりませんが、僕が幼かった頃の父の気持ちがわかるようになって来ました。
男性に起こりやすいこと?
これは完全に推測の域を出ないのですが、こういった怒り方をするのは男性だけなのかも?と思っています。
だって、先ほどのような理由で母から怒られたことはありませんでしたから。
それに、僕の妻を見ていても、娘に対してそんな感情を抱いているようには見えません。
もちろんイライラすることや急に怒ることはあるそうですが、それは娘の言葉や行動に対してのもの。
僕のように、娘に原因がないにも関わらず、理不尽な怒り方をするのは妻には無いようです。
男性はもともと同時に複数のことに取り組むのが苦手だと言います。
原始時代には狩りに出て獲物を取っていた習慣もあって、何かの目標を決めたらそこへ向かって一直線に集中することが得意なのです。
その脳の構造は現代にも引き継がれていて、
- 同じ時間には一つのことしか取り組めない
- 何かに集中し始めたら、どっぷりそれだけにのめり込む
- その集中を妨げられたら、大きなストレスを感じる
という傾向があるそうです。
伝え聞いたことなので根拠は薄いのですが、僕自身や父のこと、あと周りの男性を見ていると、それはとっても頷けます。
そう。何かの作業や考え事をしているとき、それを妨げるものがあると、男性はめっちゃ不快に感じてしまうのです。
集中しているときに、静寂を破って子どもの声が聞こえると、ドッと消耗するのです。
それはいわば、時速100kmを超えるスピードで走っている自動車が急ブレーキをかけるようなもの。せっかく一つのことに集中して思考や作業が乗っているときに、いきなり目の前に障害物が飛び込んでくる感じです。
その急ブレーキにはめちゃくちゃエネルギーがかかりますし、しかもその後、再び時速100kmまで加速し直さなければなりませんから、そこでまたエネルギーを消費します。
そんな状態になってしまうので、子どものことをどんなに愛していても、どんなに可愛くっても、集中を邪魔されることが繰り返されると、「うるさい!!!!」と感情的になってしまうのでした(T-T)
怒られていたのは自分のせいじゃなかった
とはいえ、「男性が子どもに対して理不尽な理由で怒りやすい」というのは、あくまで僕の仮説です。そんなことに関係なく、ずっとニコニコ子育てされている男性もいらっしゃいますから。
ただ、こうやって考えてくると、一つだけ確かなことがあります。
それは「怒られる理由や原因は子どもにはない」ということです。
僕が娘に対して「うるさい!」と感じるのは、あくまでも僕の都合です。もしかしたら、先ほど触れたように男性の脳特有のものかもしれません。
少なくとも、娘の側に責任も理由もありません。
そして、僕が幼い頃に父に怒られていたのも、父の中で何らかの事情があって、僕に対して怒りをぶつけたに過ぎません。
昔の僕に、原因はなかったのです。
こんな風に気づいて、僕自身はすごく救われました。
父に怒られていた記憶は、今でも思い出すことがあります。
幼い頃の記憶がどうしても胸に残っていて、ふとしたときに「あのとき、何か悪いことしたのかなぁ?」と罪悪感を覚えることが時々あるのです。
けれど、今回の発見があって、
「そうか。あれは父が勝手に怒っていただけなんだ。僕には原因はなかったんだ……」
と思えるようになりました。
娘にも僕にも原因はない
そして当然のことながら、娘にも怒られる原因はありません。
娘は無邪気に遊んでいるだけですし、むしろ僕に愛情を向けようとして近づいて来てくれています。
それに対して怒りの感情が湧くのは単に僕の都合であって、娘には全く原因はないのです。
いえ、僕自身にも原因はないと言えます。
娘の言動を「うるさい」と感じてしまうのは、僕の集中が妨げられたことによって起こるエネルギー消耗なわけであって、僕自身に悪気や意図があって怒っているわけではないのです。
もしかしたら、もともとの脳の特性が原因かもしれません。
こんな風に書くと「そんなん責任逃れや!」「自分のことは自分でコントロールしろ!」と思われるかもしれません。
ですが、こう考える方が建設的ではありませんか?
世の中には自分では本当はしたくないのに、子どもに手を挙げてしまう大人がいます。「虐待」と言われるケースでも、本当は親は子どものことを愛しているのに、どうしても厳しく当たってしまうことが多々あると言います。
いえ。どんな親にだって、どれだけ子どもを愛していて可愛く思っていても、イライラしてしまうことってあるのではないでしょうか?
疲れているときだってあります。辛い出来事だってあります。
そんな中で、マイナスの感情が湧いてくるのは自然なことではないでしょうか。
それを全部、「自分の責任だ」「親としてダメだ」なんて抱え込みすぎると、心も体も持たなくなってしまいます。
そうではなく、子どもに対して理由なく湧いてしまう怒りを、自分以外のものを原因とした方が建設的です。
それは環境かもしれないし、もともとの身体的な特性かもしれません。
何にしてもまずは、「子ども自身にも親自身にも原因はない」と認識するところから、次の一歩が始まるのだと思います。
子どもとの距離を大切に
では、どうすればいいのか?
これは、「外部の環境を整えていく」ということになるでしょう。
僕の場合で言えば、娘とずっと一緒に過ごすとエネルギーを消耗して怒りやすくなってしまいます。
ですから、娘と一緒にいる時間をコントロールするのが有効です。
いわば、子どもと適度な距離を取るということですね。
もっと具体的に言えば、「幼稚園や保育園に預ける」とか「両親に娘を見てもらう」とか、そういったことになって来ます。
そんな風に、現実的にコントロールできるところで改善を試みるわけです。
「理不尽な怒りが湧く」というのは内面的な現象なので、原因も改善策も内面に求めてしまいがちです。「怒らないようにするにはどうすればいいか?」「自分の精神を鍛えねば!」という風に。
ですが、今まで見て来たように、理不尽な怒りの原因は、互いの行動のミスマッチによるものです。
互いの身体や精神の特性が噛み合わないために起こっていることなのです。
ですから、内面を改善しようとしても徒労に終わります。
それよりも、現実的なアプローチで、
- 子どもと過ごす時間をコントロールする
- 働く環境を整える
- 周りの協力を求められるかを検討する
という風に、外部に改善策を求めていくのが効果的だと言えるのです。
そんなわけで、我が家は今まで自宅で子育てしていましたが、幼稚園(または保育園)について本格的に検討したいと思います!
親が理不尽に怒ってしまう理由まとめ
さて。今回は、僕自身の子育ての経験と、過去に父から怒られていた経験から、「親が子どもに対して理由なく怒ってしまう原因」を紐解いて来ました。
もう一度整理すると……
- 子どもの言動が、親の集中している思考や行動を妨げることがある
- そうやって妨げられると、大きな消耗が起こってしまう
- その消耗が継続すると、どんなに子どもを愛していても感情的に怒ってしまう
- 子どもにも親にも原因はなく、単に行動特性のミスマッチ
- 改善するには内面を変えるのではなく、外部の環境に目を向ける
となります。
こんな風に考えることで、僕は親に怒られていた過去の辛さから解放されましたし、今の子育ての精神的負担も少なくなりました。
まだまだ理不尽に怒ってしまうことはありますが、少しずつでも変えていけたらと思います。
あなたにとっても、ご参考になるところがあれば幸いです(^-^)